ガルドは二度斬る

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第七世代対面構築論

対面構築を考察していて思ったことを書きます。

あくまで個人の意見であって、真偽のほどは保証いたしかねます。

以下常体

 

現在のシングルバトルの構築は対面構築・サイクル構築・展開(系)構築の三つに大ざっぱに分けられる。その中で対面構築というのは性能の高く対応範囲の広いポケモンで固めたパーティーのことである。

対面構築という言葉は第五世代で広まったものだと記憶しているが、当時は天候や壁、積みといった展開系構築が強力であり対面構築はそれほど意識されなかった。

対面構築が一気にメジャーになったのは第六世代でメガガルーラの強さが認知されてからである。一時期はいわゆる「厨パ」といった並びが環境を支配するほど強力な構築であった。

(第六世代の結論パが対面構築ということを言っているのではない。)

六世代でこれほど対面構築が流行った最大の理由はもちろんガルーラである。

メガガルーラは圧倒的な性能を持つが、後投げがし辛いので対面構築と相性がいい。一方でガルーラに対して交代するのはリスキーなのでサイクルは分が悪い(ゴツメ後投げもH振りガルーラや秘密ガルーラの登場により安定しなくなった)。天候や積みなどの展開もガルーラのグロウや先制技で対応できる。ガルーラにある程度対抗でき、ガルーラと並べても相性がいいということでガルーラの次にメジャーなメガシンカであったメガゲンガーも影踏みでサイクルを否定してくる。こんなん対面構築が流行るに決まっているのである。

 

では七世代ではどうだろうか。

ガルーラやゲンガーをはじめとした対面構築の強さを決定づけていたポケモンの軒並みの弱体化と、Z技やフィールドによる高火力押し付けを防ぎにくいことから対面構築の地位は確実に下がっている。

一方で高火力押し付けをタイプで受け、ディスアドを最小限に抑えられる(間接的にアドが取れる)ということでサイクル構築の人気が高まっている。いわゆるサイクル環境である。

しかし吹いているのは向かい風ばかりではない。第七世代最強のポケモンと言われるミミッキュが登場したのである。

ミミッキュは性質上サイクルに参加しづらく、裏に置いて死に出しするが最も強いということが分かってきたので、その性能を最大限活かせるのは対面構築だろうと思う。

よって第七世代の対面構築は「ミミッキュスタン」にするのが最も妥当である。

 

しかし交代をしない(しづらい)というのは今作において大きなデメリットである。サイクルが強いからサイクルが流行っているのであって、自分からサイクルを捨てるのは一種の縛りプレイと言っても差し支えないかもしれない。

しかし解決策がないわけではない。自分がサイクルを回せなくても相手側のサイクルも否定してしまえば五分五分、むしろ性能が高いポケモンを使っているだけこちら側が有利を取れる。

相手のサイクルを否定する、つまり「崩し」である。今作の対面構築に入るポケモンには崩し性能が求められる。

 

 まずミミッキュはこの条件を満たせる。ただし持ち物をZにすればの話である。

ミミッキュスタン」である以上ミミッキュにZクリスタルを渡すのは何も問題ないのだが、最強ポケモンであるミミッキュを可能な限り選出したいとなると他のポケモンにZを持たせづらくなる。

 

Z以外で数値を底上げできるアイテムというとやはりメガと襷である。

メガにはボーマンダメタグロスバンギラスなどの異常な数値を持つポケモンも多いが、対面構築においてはガルーラが優先されることが多い。高耐久と弱点の少なさで行動保証を取りやすいことや強力な先制技を打てることもあるが、最大の理由はグロウパンチ+広い攻撃範囲による崩し性能である。

他の数値の高いメガはAやCを2段階上げる積み技を覚えず、攻撃範囲にも隙があるのでサイクルを破壊するのは難しい。

襷枠はいろいろ考えられるだろうが、メジャーなものとしてはキノガッサバシャーモカプ・テテフが挙げられる。

 

しかしここで致命的な問題が浮かび上がってくる。六世代対面構築の駒が軒並み弱体化されている以上、「高数値、広範囲(出し負けしづらい)でついでに崩し性能も高いポケモン」がそんなにいるはずないのである。

襷は性質上一匹のみ、ミミッキュ以外にZを持たせたくない、メガもせいぜい2匹が限度となると6匹分の枠が埋まらない。かといって3~4枠で全対応できるほどポケモンは甘くない。

他に数値が高くなる持ち物としては進化の輝石が挙げられるが、輝石ポケモン(ポリ2、ヌル、ニダンギルあたり)は崩し性能に欠けて使いにくかった。

 

この問題を解決し、構築として完成させるには三つの方法があると思う。

一つ目はクッション枠を採用することである。カバルドンなど、耐久が安定していて他のポケモンを動かしやすくするポケモンを入れれば枠が埋まる。

出し負けをケアできるなど選出・行動の幅が広がるのが主なメリットだが、崩し性能に欠ける・クッション枠が不利対面をとると切り返しづらいなどのデメリットも大きい。(欠伸カバはこのデメリットを軽減できるが、ガッサのついでに対策されて悲しくなることが多かった。)

二つ目はサイクルや展開など対面以外の要素を入れることである。マンダ+マンムーギルガルドオニゴーリなどが挙げられる。

対面選出では与しにくい相手に対して新たな勝ちルートを作れるが、構築段階で選出や立ち回りをよく練っておかないと色々と中途半端になりがちである。今後の発展が望まれる。

三つ目は対面構築の特権を最大限利用することである。

対面構築は対応範囲が広いポケモンで固めるPTなので、選出の自由度が比較的高い。サイクルと違って6枠フルに使って補完をする必要がない。

つまり「積極的に選出するのは難しいが、特定のPTには刺さる」とか「何かに致命的な隙を見せるが、それがいなければ強い」ポケモンを採用する余裕があるということである。

苦手なポケモンがいないPTに対してのみ選出するなら、対応範囲が広いのと同義である。

私のこの方向でPTを詰めていった。

 

それで完成したのがこのPTである。

コケコ・マンダがすこし重すぎたが、まあまあ強かったので考察の方向性としては間違っていないと思う。

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ガルーラ意地AS@石

グロ捨て身炎P不意

テンプレ型。崩しのグロ炎Pも削りやトドメの不意も切れない。

中速やミミッキュを抜きたいためSに振り切ったが、コケコに強気に出れるHAベースでもよい。

 

ミミッキュ意地hab@妖Z

じゃれ影剣舞シャドクロ

構築の存在理由なので最も汎用性の高い技構成。バシャやマンダが重いので耐久振り。

 

キノガッサ意地AS@襷

種ガンマッパ剣舞胞子

胞子が通りにくすぎて崩しの技として機能していないので剣舞を採用。ほとんどの相手が初手ガッサをケアした選出をしてくるので、岩封なら・・・ということは殆どなかった。

胞子のケアは草に交換・フィールドを張ってから退くなど1ターン使った方法が多いため、そのタイミングでの剣舞が非常に刺さった。

純正対面構築なら剣舞型じゃないと機能しないと思う。

 

ガブリアス陽気adS@ラム(コケコの珠マジシャ耐え)

逆鱗地震炎牙剣舞

欠伸展開やゲンガー軸、毒サイクルの崩しの駒。

電気無効枠ではあるが別に電気に強くはない。流すのはできるので後でミミッキュで叩く。

受けループはこいつの晴れ剣舞炎の牙で崩していく。

 

リザードン控えめB厚め@Y石

放射オバヒソラビめざ氷

ガルミミガッサが刺さらない相手にぶっ刺さるメガ。超火力で自然と崩しもできる。

ハイリスク・ハイリターンなポケモンだが、リターンを取れるときだけ出せば何の問題もない。

めざ氷はニトチャでもよきだが、その場合マンダへの解がさらに減る。

有利対面は無理に交代読まずにオバヒでよき。

 

フェローチェむじゃきAS@珠

膝蜻蛉毒突き冷ビ

マンダ軸やコケコのボルチェン展開に刺さる。

詰む相手も多いが、リスキーな時は出さなければいい。

むしろフェローチェ受けを呼ぶことで相手の選出に隙を作り、他のポケモンでその隙を付いていくのがメイン。

 

基本選出:出し負けないor刺さってるやつ+通したい奴+ミミッキュ

 

 

サイクルに危うさを感じて今期は対面構築を考察していたが、第七世代でもまずまず戦えることが分かった。

ただし詰めていけば上位を狙える構築かというと怪しいので、今後さらに深く考察していくかは分からない。とりあえずUSM出てから考える。